ネット上の掲示板やSNSでは、安い定食屋に対して様々な憶測や誤解が飛び交っています。情報に惑わされず賢く利用するために、飲食ビジネスの実態に基づいた事実検証を行います。
誤解1:安い店は廃棄寸前の古い食材や低品質な肉を使っている?
これは完全な誤りです。食品衛生法が厳格化された現在、傷んだ食材を使用するリスクは営業停止に直結するため、どの店舗も絶対に冒しません。むしろ、低価格で高回転する定食屋ほど、仕入れた食材がその日のうちに使い切られます。高級店のように数日寝かせる必要のない野菜や肉が常に循環しているため、「鮮度」という観点では高価格帯の低回転店よりも優れているケースが多々あります。安さの秘密は食材の古さではなく、形状が不揃いな「規格外品」の活用や、鶏むね肉・豚こま切れ肉を柔らかく仕上げる調理技術にあります。
誤解2:ご飯をおかわりしまくれば店を赤字に追い込める?
大食漢が「ご飯を5杯おかわりして元を取った」と豪語することがありますが、前述の通り米の原価は1杯数十円です。よほど極端な量を食べない限り、定食全体の販売価格の中に組み込まれた利益マージンが吹き飛ぶことはありません。店側もおかわり客が一定数出ることを統計的に予測(全客の平均おかわり率は約15〜20%)して全体の価格を設定しているため、利用者が罪悪感を持つ必要も、店を負かしたと錯覚する必要もありません。
誤解3:個人店よりも全国チェーンの方が絶対に安くて安全?
チェーン店にはスケールメリットによる安定した品質管理と低価格がありますが、テナント料、広告宣伝費、本部管理費といった莫大な間接コストがメニュー価格に上乗せされています。一方、持ち家で営業する個人店は間接コストが極小であるため、純粋な「支払額に対する食材への原価投下率」で比較した場合、個人食堂の方がチェーン店を上回っている例は珍しくありません。