カタログスペック上の美辞麗句と、泥にまみれる春の現場での実感には常に溝があります。農政情報誌やインターネットコミュニティ(SNS、掲示板、Q&Aサイト)に寄せられた実際の利用者の告白を精査すると、生々しい現実が浮かび上がってきます。
「40万円の中古4条植えをオークションで購入したが、田植え初日に植え付け爪の駆動ギアが焼き付いた。地元の農機具店に持ち込んだものの部品がすでに製造中止で、結局田植えシーズン中に間に合わず、知人の農家に頭を下げて植えてもらう羽目になった」(50代・兼業農家)
一方、高額な設備投資に踏み切った農家からは、生産性の劇的変化を称賛する声が届いています。
「新車で380万円の直進アシスト付き6条植えを導入した。最初は高額すぎて躊躇したが、一人で苗継ぎと運転を同時にこなせるため、これまで手伝いを頼んでいた親族への日当や昼食代、人間関係の気遣いが一切不要になった。作業スピードが1.5倍になり、適期植え付けが完璧に守れたことで等級比率が上がり、3年で元が取れる計算だ」(40代・専業農家)
また、買い替え時の農機具 買取価格 相場についても現場のリアルが報告されています。10〜15年落ちの機体であっても、クボタやヤンマーのディーゼル仕様や状態の良い6条植えは、東南アジアを中心とする海外輸出需要が旺盛なため、15万〜40万円前後の買取値が付く事例が頻発しています。「鉄くず同然と思っていた古い愛車に値がつき、新車の頭金に充てられた」という証言は、大手輸出業者や専門買取網が確立された現代ならではの実態と言えます。