約40億年前の原始地球において、単なる有機化合物の塊がどのようにして生物の3条件を獲得したのか。この生命の起源と進化の経緯は、現代科学でも最大のミステリーの一つです。
有力な仮説として広く支持されているのが「RNAワールド仮説」です。遺伝情報の保存と化学反応を促す触媒機能(リボザイム)の両方を兼ね備えたRNAが最初に誕生し、やがて脂質の微粒子(リポソーム)に取り込まれることで原始的な自己境界が形成されたと考えられています。
外界から隔てられた微小空間の中で濃縮された化学反応が進み、代謝システムが構築され、より安定したDNAへと遺伝情報の主役が交代していきました。非生物の化学進化が生物の3条件を満たす生命体へと飛躍したこのプロセスは、奇跡的な偶然と物理法則の積み重ねによって成し遂げられたとされています。