ヘルシアブランドは2003年の「ヘルシア緑茶」登場以来、日本のトクホ飲料市場を牽引してきました。そのラインナップとして2013年4月に満を持して投入されたのが「ヘルシアコーヒー」です。缶コーヒーの主要購買層である30代〜50代の働く男性を中心に爆発的なヒットを記録しましたが、なぜ惜しまれつつも市場から姿を消すことになったのでしょうか。
流通関係者への取材および花王の公式発表資料によると、背景には国内清涼飲料市場における競合激化と花王全体の事業ポートフォリオ最適化が存在します。2010年代後半以降、各社から「難消化性デキストリン」等を配合した安価な機能性表示食品コーヒーが相次いで登場。1本あたり定価150円前後(当時)という高価格帯トクホ缶コーヒーの維持は、コモディティ化の波に晒されることとなりました。
さらに花王は、ヘルス&ビューティケア事業への経営資源集中を進める中で、2024年に「ヘルシア」ブランドの事業をキリンビバレッジへ譲渡することを決定。これに先立ち、ラインナップの絞り込みが行われ、ヘルシアコーヒーの生産終了が確定しました。単なる「不人気による撤退」ではなく、メーカーのグローバル戦略と市場環境の変化が引き起こした必然的なブランド整理であったといえます。