全盲の見え方は真っ暗ではない?当事者が語る「無」と視覚の真実に関する詳細情報を分かりやすくまとめました。詳細な解説をチェックしましょう。
一般社会では視覚障害者全般を一括りに「盲目」と呼びがちですが、医学的・法的な現場では極めて厳密なグラデーションが存在します。厚生労働省の身体障害者障害程度等級基準や眼科学の基準において、全盲とロービジョン(弱視)は明確に区別されています。
区分・状態詳細・医学的基準の数値データ一般的な見え方の特徴現場の実態・留意点絶対盲(医学的全盲)視力0(光の感知が全くない状態)光すら認識できず、完全な「無」またはノイズ視覚障害者全体の約1割程度に過ぎない光覚弁(こうかくべん)明暗のみを弁別可能(視力測定不能)窓の場所や昼夜の境目、電灯のスイッチが分かる行政上は「全盲(障害等級1級)」に分類されることが多い手動弁(しゅどうべん)眼前の手のひらの動きを識別(約30〜50cm)目の前で何かが動いている影や輪郭をおぼろげに知覚社会生活上は全盲に近い支援を必要とする水準ロービジョン(弱視)矯正視力0.1未満、または高度な視野狭窄(10度以内等)すりガラス越し、筒から覗くような視野、強い眩しさ「見えているように振る舞える」ため周囲の無理解に苦しみやすい
日本眼科医会等の報告によると、白杖を持っている人のうち、完全な光を失っている「絶対盲」はごく一部であり、多くの人が光覚弁や激しい視野欠損を抱えるロービジョン当事者です。「白杖を持っているのにスマートフォンを操作していた」とネット上で疑問視されるケースがありますが、画面のコントラストを反転させたり音声読み上げ機能を使っているだけであり、医学的実態と社会的理解の乖離を示す典型例と言えます。