過激な敵役に注目が集まりがちな本作ですが、根底に流れるのは職人たちの泥臭くも清々しい人間讃歌です。東京・名門「鳳寿司」の親方・鳳征五郎の厳しくも温かい眼差しのもと、将太は兄弟子たちと切磋琢磨していきます。
なかでも高い人気を誇る登場人物が佐治安人です。当初は将太を冷遇する嫌味な兄弟子として描かれていた佐治ですが、将太の才能と愚直な情熱に触れる中で本物のライバルへと覚醒。のちの全国大会予選では、互いの持てる技術のすべてをぶつけ合う名勝負を繰り広げます。敗れた佐治が将太に自らの想いを託すシーンや、「寿司は人を幸せにするものだ」という信念にまつわる数々の名言・名シーンは、読者の涙を誘う屈指のエピソードです。