女子児童を中心に絶大な支持を集め続けるツートップが、サッカーが得意で熱い男気を持つ「大野くん」(大野けんいち)と「杉山くん」(杉山さとし)です。彼らは原作初期からいたわけではなく、1990年公開の劇場版第1作『ちびまる子ちゃん 大野君と杉山君』を機に誕生したキャラクターでした。さくらももこさんが「小学生男子特有の強い友情と冒険心を描きたい」と構想したもので、特定の単独モデルというよりは、男子たちの理想的な友情像を凝縮した存在です。
一方、低音の笑い声「クックックッ」でおなじみの「野口さん」(野口笑子)は、アニメ第2期から投入された生粋のオリジナルキャラクターです。当初は背景の目立たない女子生徒の1人にすぎませんでしたが、独特のシュールな佇まいと絶妙な間合いをスタッフと作者が気に入り、まる子のシュールなツッコミ仲間としてレギュラーへ抜擢されました。家族関係(お笑い好きのおじいちゃん、冷徹な兄とその彼女・柿絵)の濃密な設定も後から肉付けされ、国民的ダークホースへと成長した経緯があります。
また、スピンオフ漫画の主人公にも抜擢された「永沢くん」と「藤木くん」のコンビがなぜこれほど愛されるのか。その人気の理由は、人間の持つ陰湿さや卑屈さを隠さず描くリアリズムにあります。「火事のトラウマを抱え毒舌を吐く玉ねぎ頭」と「唇が青く肝心な場面で保身に走る卑怯者」。童話的な美談に終始しがちなファミリーアニメの中で、彼らが見せる人間の弱さや生々しい葛藤こそが、大人になった読者の共感を呼んで離さない要因です。