2018年の参入表明以来、楽天グループの屋台骨を大きく揺るがしてきたのが楽天モバイル(第4のキャリア事業)です。巨額の基地局整備費用と先行投資が重なり、グループ連結決算で数千億円規模の最終赤字が続いた時期は、市場関係者や格付機関から厳しい視線が注がれました。
しかし、2024年から2026年にかけての事業展開は明確な転換点を迎えています。悲願であった「プラチナバンド(700MHz帯)」の商用サービス展開が本格化し、長年の課題であった屋内や地下でのつながりやすさが劇的に改善。自社回線エリアの拡大とパートナー回線(KDDIローミング)の最適化により、契約回線数は順調に純増基盤を維持しています。
楽天グループが他キャリアと決定的に異なるのは、「楽天経済圏(エコシステム)」との強固なシナジーです。楽天モバイル契約者は楽天市場でのSPU(スーパーポイントアッププログラム)還元率が大幅に優遇され、楽天カード決済や楽天銀行、楽天証券口座の利用頻度が跳ね上がる構造を構築。通信単体での黒字化ラインを見据えつつ、グループ全体のLTV(顧客生涯価値)を最大化する戦略が着実に実を結びつつあります。