2024年の水曜ドラマを分析する上で外せないのが、「リアルタイム世帯視聴率」と「見逃し配信(TVer・FOD等)の総再生数」に生じた巨大な乖離です。かつてのように世帯視聴率の数字だけで番組の成否を断定することは完全に過去の基準となりました。
象徴的だったのが、フジテレビ水10枠で1月期に放送された『婚活1000本ノック』です。世帯視聴率が2%台から3%台前半で推移したため、旧来的な指標では低迷と報じられたものの、TVerでのお気に入り登録者数は80万人を超え、見逃し配信再生数では常にランキング上位を独走しました。制作関係者への取材によると、「20代〜40代女性のコアターゲット層がスマートフォンで好きな時間に視聴し、SNSで感想を共有するサイクル」が完全に確立されていたことが判明しています。
反対に、テレビ朝日水曜9時の『相棒』シリーズは世帯視聴率で二桁(10%〜11%台)をキープし、リアルタイムでの圧倒的な強さを見せつけました。しかし、TVerの再生数シェアでは若年層向けラブコメやミステリーに軍配が上がる局面が多く、「リアルタイムの世帯リーチ力」と「配信でのリテンション・バイラル力」という棲み分けが完全に定着した一年となりました。