「とにかく目の前にある山を切り崩す。それだけに集中する時間がたまらないんです」
都内の有名店から出てきたばかりの30代会社員は、額の汗を拭いながら興奮気味に語った。彼が平らげたのは、麺量400グラムに野菜マシマシ、ニンニク・アブラを限界まで盛った文字通りの「山」だ。なぜ、これほどまでに人々はこの超大盛りに惹かれるのか。
背景にあるのは、ストレス社会における「達成感」の渇望だ。ただお腹を満たす外食ではない。丼という小さなキャンバスに築かれた難攻不落の「山」を完食する行為そのものが、現代人にとって一種のアトラクションであり、日常の小さな勝利体験となっている。SNSの普及もこの現象を強力に後押しした。インパクト抜群の画像は瞬く間に拡散され、若者たちの挑戦意欲を刺激し続けている。