では、体重を真に支配しているのは何なのか。その鍵として注目を集めているのが「炭水化物-インスリンモデル」である。ハーバード公衆衛生大学院のデヴィッド・ルドウィグ教授をはじめとする研究チームは、肥満の原因はカロリーの過剰摂取ではなく、ホルモンの過剰反応にあると主張する。
精製された炭水化物や加工砂糖を摂取すると、血糖値が急激に上昇する。これに応答して大量に分泌されるのが「肥満ホルモン」とも呼ばれるインスリンだ。高レベルのインスリンは、血中の栄養素を優先的に脂肪細胞へ送り込み、鍵をかけて閉じ込めてしまう。結果として血液中のエネルギーが枯渇し、脳は十分なカロリーを摂取した後であっても「栄養不足」と判断して強い空腹感を出す。
さらに、こうした状態が慢性化するとインスリン抵抗性が生じる。細胞がインスリンのシグナルを受け取れなくなり、体はさらに多くのインスリンを分泌するという悪循環に陥る。カロリーをいくら削ろうと、このホルモンの暴走を止めない限り、脂肪は燃焼されず蓄積され続けるのだ。