長年にわたり日本のメディア経済を強力に牽引してきた広告費の構造が、根底から崩れ去っている。大手広告代理店の電通が毎年発表する「日本の広告費」の最新データは、長年続いてきた既存メディアの優位性が完全に消滅したことを突きつける。
伝統的なテレビメディア市場が右肩下がりの縮小を続ける一方で、インターネット広告業界は怒涛の勢いで成長を拡大させ、両者の収益ギャップは年々開くばかりだ。かつては「ゴールデンタイムにCMを出せば商品は売れる」と言われた時代が存在した。しかし、デジタルターゲティング広告の精度向上と費用対効果の可視化により、スポンサー企業は急速に予算をデジタル空間へシフトさせている。収益基盤であったスポットCM収入の急減は、番組制作予算の大幅カットを引き起こし、コンテンツのクオリティ低下を招くという悪循環を生み出している。