分類学上、ドロバチはスズメバチ科に属する。この事実を聞くと「猛毒を持った危険な蜂ではないか」と身構えるかもしれない。だが、集団で巣を防衛するために激しい攻撃性を見せるキイロスズメバチなどとは異なり、単独で静かに暮らす独居性の蜂である。
針と毒を持っているのは雌だけだ。しかもその毒は、獲物となるアオムシやシャクトリムシの動きを止める麻酔用の役割が主である。人間が直接手で握りつぶしたり、巣を棒で攻撃したりしない限り、蜂から自発的に人間を襲うことはまずない。国立科学博物館の展示解説や昆虫標本データでも、人間に対する危害リスクが極めて低い存在として扱われている。