面白いことに、主語を省く動機は世代によって明確な違いを見せる。
タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する若年層の場合、短文での即答やスピーディーな会話リズムを優先するあまり、前提条件を削ぎ落としてしまう傾向が強い。SNSのタイムライン的な感覚で業務チャットを利用することが一因だ。
一方で、管理職やベテラン層における主語の欠落は、別の要因から生じる。「立場上、全員が自分の動きを把握しているはずだ」という無意識の慢心や、多忙による思考のショートカットだ。立場が上がるほど周囲が察して動いてくれる経験が増えるため、主語を抜く悪癖が矯正されにくい構造が存在する。