開店の1時間前、商店街のアーケードにはすでに数十人の行列が形成されている。並んでいるのは、長年この店に通い詰める近所の常連客だけではない。スマートフォンを手に地図アプリを確認する欧米からの旅行者や、アジア各国から「大阪で絶対に行くべき一軒」として噂を聞きつけてやってきた若者たちの姿が目立つ。
多様な言語が飛び交う店内だが、カウンター越しに職人が握る握り寿司が運ばれてくると、その場の空気が一瞬で静まり返る。一皿に盛られたマグロやウニ、ハマチの存在感。洗練されすぎた洗練ではなく、力強く豪快なその佇まいこそが、世界中の食人を魅了してやまない理由だ。