夏を描くうえで避けて通れないのが、圧倒的な存在感を放つ空と雲の描写です。青空と入道雲のイラスト描き方でプロが意識しているのは、「コントラストの強さ」と「環境光のコントロール」に集約されます。
夏の青空を描く際は、天頂に向かうにつれて深いウルトラマリンへ、地表に近づくにつれてシアンやわずかに黄みを帯びた明るい水色へとグラデーションを作ります。そして入道雲は単なる白色ではなく、日光が直接当たるハイライトにはわずかな温かみ(薄いクリーム色)を、影の部分には空の青が反射した紫がかったシャドウカラーを落とし込むことで、質量感と立体感が一気に立ち上がります。
また、夏のイラストにおける配色パレットのコツとして、ベースカラーの青に対して、アクセントとなる補色の黄色(ひまわり、麦わら帽子)や赤(金魚、ラムネのラベル、夕日)を要所に置く手法が極めて効果的です。これにより、画面の彩度が引き締まり、爽快感が際立ちます。
さらに、一日の終わりを告げる夕焼けと放課後の切ないイラストでは、オレンジからマゼンタ、藍色へと移ろうトワイライトのグラデーションが鍵を握ります。人物をあえて濃いシルエットに近いシャドウで包み、逆光で髪の毛のフチだけを金色に光らせるエモい光と影の描き方を取り入れることで、胸に迫る哀愁を完璧に表現できます。