松永の共犯者として逮捕され、後に死刑判決(二審で無期懲役へ減刑)を受けた緒方純子。彼女もまた、かつては名門家系の実直な保育士であり、松永の最初期からの被害者でもあった。福岡地方裁判所で開かれた公判では、彼女がどのようにして主犯の足枷となり、自身の血縁者をも手に掛けるに至ったかの詳細が語られた。
後に明かされた彼女の手記や法廷証言の記録には、極限状態における痛切な葛藤が刻まれている。「松永の指示に従うことしか、自分と家族が生き残る道はないと思い込まされていた」——。裁判官たちの前で自らの罪と向き合い始めた彼女は、支配が解けた後に訪れた耐え難い後悔と正気を失っていた日々の恐怖を克明に語った。密室の暴君に魂を差し出してしまった女性の手記は、心理的監禁の深淵を如実に物語っている。