児童が無事に保護されたことで最も注目されたのが、「なぜ小学5年生の児童が突然姿を消したのか」という失踪の動機です。警察によるその後の聞き取り調査や関係者の話によると、事件性や連れ去りといった外的要因ではなく、学校や日常生活における心理的ストレスからの衝動的な逃避行動であったことが明らかになりました。
小学5年生(10〜11歳)という時期は、児童心理学において「ギャングエイジ(仲間意識が強まる時期)」から思春期への移行期にあたります。自己同一性の芽生えとともに、友人関係のトラブル、習い事や中学受験に向けた学業プレッシャー、あるいは親の期待に対する息苦しさを敏感に感じ取る年代です。
今回のケースでも、直前に友人関係の些細な行き違いや家庭内での注意があり、本人が「一人になって考えたかった」「遠くへ行ってみたかった」という気持ちから衝動的に行動を起こしたと伝えられています。所持金がわずか数百円程度だったため、遠方への移動はできず、夜間は雨風をしのげる屋根のあるベンチ等で過ごしていた模様です。