ダイアナ妃事故の真相|パリのトンネル悲劇と陰謀論の全貌を追う

ダイアナ妃事故の真相|パリのトンネル悲劇と陰謀論の全貌を追う

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世界的なVIPの非業の死を受け、フランス司法当局およびパリ警察は異例の大規模捜査班を編成しました。徹底した現場鑑識、関係者数百人の聴取、監視カメラ映像の検証を経て、1999年にパリ警察の捜査報告書がまとめられました。

その結論は、運転手アンリ・ポールの重度の酒気帯びおよび向精神薬服用、そして極端な速度超過が衝突を招いた直接的な原因であると断定するものでした。直前まで車列を追尾していたパパラッチ9名とオートバイ運転手1名に対しては過失致死容疑での捜査が行われましたが、直接の衝突関与や追突の証拠は認められず、プライバシー侵害に関する処罰を除き、刑事上の起訴は最終的に棄却されました。

一方、イギリス国内でも「陰謀によって命を奪われた」という世論の声が収まらず、ロンドン警視庁は2004年から元警視総監ジョン・スティーブンス卿の指揮のもと、コードネーム「パジェット作戦(Operation Paget)」と呼ばれる大規模な再捜査を敢行。2年をかけて作成された全800ページ超の調査結果は、次のような事実を明確に示しました。

  • アンリ・ポールの検体すり替え疑惑はDNA鑑定によって完全に否定され、高濃度のアルコール検出は動かしがたい事実である。
  • 英軍特殊部隊(SAS)や秘密情報部(MI6)が関与した事実は一切存在しない。
  • 事故車は過去に盗難・大破歴があり構造的欠陥が囁かれたが、整備不良そのものが直接の激突原因とは言えない。

2008年4月、イギリスの検死陪問審問(インクエスト)審判団は、アンリ・ポールの極めて無謀な運転と、執拗に追走したパパラッチ車両の無謀な運転が複合して引き起こされた「不法殺害(Unlawful Killing)」であるとの最終評決を下しました。これを受け、ウィリアム王子とヘンリー王子(当時)はイギリス王室の公式発表を通じて連名の声明を出し、「両親の死に関する徹底的な調査に深く感謝するとともに、陪審員の結論に全面的に同意する」と表明。母の魂が安らかに眠ることを願う言葉をもって、公的な捜査に終止符を打ちました。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。