ニュース報道で混同されやすい言葉に「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」の3つがあります。これらは税法上、まったく異なる性質とペナルティを持つ概念です。
第一に「申告漏れ」とは、税法の解釈違いや計算ミス、売上計上の時期のズレなど、故意の隠蔽工作を伴わない手続き上の過誤を指します。税務調査で指摘を受けた場合、過少申告加算税や延滞税を支払って修正申告を行えば、刑事事件に発展することはありません。
第二に「所得隠し」は、帳簿の改ざんや架空経費の計上、売上の一部を意図的に除外するなど、悪質な隠蔽・仮装行為があったと税務署に認定された状態です。この場合、本税に加えて重いペナルティである重加算税(原則35%〜40%)が課されます。
そして第三の「脱税」は、所得隠しのなかでも特に隠蔽額が多額(目安として1億円以上)かつ悪質と判断され、国税局査察部(通称・マルサ)が裁判所の令状を得て強制捜査を行い、検察庁へ刑事告発して刑事罰を求める事案を指します。有罪判決が下れば、懲役刑(最長10年)や罰金刑が科される重犯罪です。