ここで改めて問うべきは、なぜ実態としては中規模な宗教法人に、これほど多くの大物芸能人の影が付きまとうのかというメカニズムです。そこには、インターネット特有の情報生態系と、関西の地域性が絡み合った2つの盲点が存在します。
第一の要因は、検索エンジンのサジェスト汚染とバイラルメディアの共鳴です。過去に一度でも「誠成公倫 芸能人」というトピックで不確かなまとめ記事が作られると、ユーザーが検索窓に打ち込み、検索候補に固定化されます。それを見た後発のトレンド系ブログが「〇〇も信者か?」と裏付けのないまま記事を再生産し、事実確認を経ない情報がデジタル空間で永久機関のように回り続けます。このサイクルによって、関西出身というだけの無関係なタレントが次々とリストに組み込まれていきました。
第二の要因は、阪神間モダニズムとセレブカルチャーの混同です。教団が拠点を置く西宮市や隣接する芦屋市は、関西屈指の高級住宅街を擁し、独特のエレガンスや教育熱の高さを持つ地域です。昭和から平成にかけて、そうした地域の富裕層や良家の子女が、教養やマナーの習得、子どもの名門校受験・宝塚音楽学校受験の精神安定剤として教団を利用するケースが局所的にありました。この「関西の上流階級のマダムたちが通っている」という実情が、尾ひれをつけられて広まる過程で、「タカラジェンヌの登竜門」「有名芸能人の秘密結社」という都市伝説へ変容していったのです。