世間が抱いていた疑問に対し、決定的な答えをもたらしたのが、2018年秋に出版された妻・木本美紀の告白本『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年間』(幻冬舎)でした。18歳年下の美紀さんは、結婚直後から始まった夫の壮絶な闘病を、妻として、そして3人の子どもの母親として最も至近距離で支え続けた人物です。
同書の中で美紀さんは、世間に公表されていた「2度の脳梗塞」の裏で、秀樹さんが実際には大小合わせて8回から9回もの微小脳梗塞(ラクナ梗塞など)を発症していたという戦慄の事実を明かしています。公表すればファンを悲しませ、コンサートのオファーが途絶えてしまう――その恐怖と戦いながら、秀樹さんは家族と主治医のみが知る極秘の闘病生活を送っていました。
記された闘病記録とリハビリの過酷さは、常人の想像を絶するものでした。麻痺した右半身を動かすため、1回あたり数時間に及ぶ激痛を伴う理学療法や筋力トレーニングを日課とし、ろれつが回らなくなった口元で発声練習を反復。「秀樹であり続けること」を唯一の目標に掲げ、涙を流しながらマシンに向かう姿は、まさに命を削る執念そのものでした。手記は、完璧なアイドル像の裏側にあった生々しい苦痛と、夫婦が手を取り合って運命に抗った18年間の軌跡を赤裸々に描き出しています。