なぜM!LKは、長年ファンに愛されてきたアイコニックなビジュアルを脱ぎ捨て、大幅なリニューアルに踏み切ったのか。その深層には、2021年のメジャーデビューを境にしたドームアーティストへの脱皮宣言がありました。
当時の特番インタビューやメンバー自身の回顧において、佐野勇斗は「これまでのM!LKの良さを守りつつも、僕たちはもっと広い世界、より多くの人たちへ本気で歌と想いを届けにいかなければならない」という趣旨の発言を残しています。インディーズ時代の親しみやすさは最大の強みであった反面、一般的な音楽リスナーに対しては「可愛い男の子たちのアイドルグループ」という先入観を与えかねないという課題も内包していました。
制作関係者の証言によると、ビクターエンタテインメントからのメジャーデビューにあたり、ビジュアルアイデンティティ(VI)の大規模な刷新プロジェクトが水面下で進行していました。目的は明確で、「J-POPシーンのメインストリームで戦える普遍的な強さと洗練」を獲得すること。グループが成熟し、個々が俳優やバラエティ、舞台など多方面で実力を開花させる中で、ロゴそのものも大人の表現力に耐えうるプレミアムな質感へと引き上げる必要があったのです。
発表当初、一部の古参ファンからは「昔のポップなイラストが好きだった」という惜しむ声も聞かれました。しかし、新ロゴを掲げてリリースされた楽曲群の高い完成度や、大規模ツアーで見せた堂々たるステージングを通じて、この一新が「グループが次のステージへ飛躍するための不可欠な決意表明」であったことが証明されていきました。