2人の距離が縮まった決定的な契機として、ファンや業界関係者の間で必ず挙げられるのが大ヒットアニメ『マギ The kingdom of magic』(第2期・2013年放送)での共演です。本作で小野賢章は第四皇子・練白龍(れんはくりゅう)を熱演し、花澤香菜は第八皇女・練紅玉(れんこうぎょく)を担当。煌帝国(こうていこく)の皇族同士という密接な間柄のキャラクターを演じ分けました。
アフレコ現場での2人は、互いに卓越した演技力を認め合う仕事仲間としてスタートしました。当時の現場スタッフの証言によれば、2人とも妥協を許さないストイックなアプローチを見せつつも、現場の空気を和ませる自然体の人柄でスタッフからの信望も厚かったとされています。その後も『純潔のマリア』『あはれ!名作くん』『文豪ストレイドッグス』など、複数の作品で共演を重ね、現場での信頼関係が徐々にプライベートな親交へと発展していきました。
また、2人には「子役出身」という極めて稀有なバックボーンの一致があります。花澤香菜は幼少期にバラエティ番組『やっぱりさんま大先生』などに出演し、小野賢章は劇団ひまわりに所属して映画『ハリー・ポッター』シリーズの日本語吹き替えで主人公ハリーを10年以上にわたり演じ続けました。幼い頃から大人のビジネス社会に身を置き、プレッシャーと戦いながら自分を確立してきた生い立ちが、他の誰にも真似できない深い共感と相互理解を生み出したことは想像に難くありません。