中島輝士氏の野球人生において特筆すべきは、引退後に見せた指導者としての卓越した手腕です。1998年に近鉄バファローズで現役を引退した後は、古巣の日本ハムで二軍打撃コーチやスカウトを歴任。選手の長所を見抜き、粘り強く伸ばす指導スタイルを確立しました。
その手腕が国際的に注目されたのが、2011年に台湾プロ野球の名門・統一セブンイレブン・ライオンズ(統一ライオンズ)の打撃コーチに就任した際です。翌2012年には監督に昇格し、チームを前期優勝へと導きました。言葉や文化の異なる台湾球界において、選手一人ひとりと真摯に向き合い、個々の打撃フォームの癖を論理的に修正していく姿勢は地元メディアやファンからも絶賛されました。
さらに2014年からは、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの監督に就任。ここで中島氏は、チームを就任1年目で独立リーグ日本一へと導く偉業を達成します。特筆すべきは単に勝つだけでなく、読売ジャイアンツで俊足巧打のスペシャリストとして大活躍することになる増田大輝選手をはじめとする原石を磨き上げ、NPBへと送り込んだ点です。
その後は韓国プロ野球(KBO)のハンファ・イーグルスで打撃コーチを務めるなど、日本・台湾・韓国・独立リーグ・社会人と、あらゆる環境を経験した稀有な指導者として、アジア球界全体に太いパイプと実績を築き上げました。