ヘアサロンのカウンセリングにおいて最も多い相談の一つが、「バージンヘア(黒髪)から1回のカラーでどこまで明るく、透明感を出せるのか」という疑問です。現場の美容師が共有する客観的事実として、ブリーチなし黒髪から一回で染まる色の明るさには明確な物理的限界が存在します。
日本人の地毛は平均して4〜5トーンとされています。通常のアルカリカラー1回で引き上げられるブリーチなし明るめ限界トーンは、髪質にもよりますが最大でも12〜13トーン程度です。1回の施術では「メラニン色素を削る力」と「色味を定着させる力」を同時に働かせるため、高明度になればなるほど色素の定着量が減り、どうしても茶色〜オレンジみが残りやすくなります。
そこで注目を集めているのが、脱色剤を使わずに明るさと高発色を両立させる「ブリーチなしダブルカラー」です。1工程目でライトナーと呼ばれる明るくする薬剤を用いてベースを12〜13トーンまでリフトアップし、2工程目で希望の色素を濃密に重ねる技法です。1回染めと比べて透明感・発色の鮮やかさが格段に向上します。