明るいキャラクターで親しまれるやす子ですが、そのルーツを辿ると壮絶な生い立ちに行き着きます。やす子の本名と生い立ちに関する公表情報によると、本名は安井かのん(やすい かのん)。1998年9月2日生まれ、山口県宇部市の出身です。幼少期に両親が離婚し、母親の手ひとつで育てられましたが、家庭の経済状況は極めて困窮していました。
小中学校時代には、給食のない長期休暇期間に十分な食事を摂ることができず、水道水で飢えをしのぐ日さえあったと本人が過去の特別番組インタビューで明かしています。さらに、思春期を迎えるとその過酷さは家庭内だけに留まらず、中学校では悪質なイジメの標的となり、靴箱の靴が隠されたり便所で昼食を食べたりする孤立無援の環境を強いられました。
高校生になると事態はさらに深刻化します。多くのファンが疑問を抱くやす子 児童養護施設の理由について、単なる金銭的困窮だけでなく、母親との関係悪化による激しい衝突や家庭内暴力のリスクから「自らの身の安全を物理的に確保するため」という切実な事情がありました。高校生活の後半、彼女は児童養護施設に身を寄せ、行政や施設職員の庇護のもとで生活を送る道を選びました。
当時の様子について、やす子は自著や手記で「あの場所がなければ自分は生きていられなかった。逃げ場としての施設が、命を繋ぎ止めてくれた」と吐露しています。自らの居場所を奪われ続けた少女時代に培われた「絶対に他者を傷つけない」「空腹の辛さを誰よりも理解できる」という価値観は、現在の彼女の人間性を形づくる強烈な原体験となっています。