豊川の食を語る上で外せないのが、商売繁盛の神様として全国から年間数百万人が参拝する豊川稲荷(妙厳寺)の表参道エリアです。この地で独自の発展を遂げた「豊川いなり寿司」は、単なる油揚げの寿司にとどまらず、門前町を支えるシンボルとして君臨し続けています。
古くから参拝客に愛されてきた定番のいなり寿司は、甘辛く煮含められた厚みのある油揚げに、酢飯がぎっしりと詰まった重厚な仕上がりが特徴です。一口頬張ればジュワリと広がる秘伝の出汁と甘みは、長旅の疲れを癒やす門前町ならではの伝統の味。名店「おきつね本舗」では、酢飯を油揚げで包んでパリッと焼き上げた「お稲荷バーガー」がメディアで話題となり、手軽な食べ歩きグルメとしても定着しています。
さらに近年では、わさびや五目、大葉、赤飯を詰めたものから、炙りチーズや牛肉のしぐれ煮をトッピングした創作系いなりまで登場。伝統を重んじる老舗蕎麦店で提供される「門前そば」といなり寿司のセットは、1,000円前後で十分な満腹感を得られるため、観光客のみならず平日のビジネス客からも長年重宝されています。