技術的な観点からも、体温計を騙すのは難しくなっている。近年の体温計、特に予測式の電子体温計は、体温の上昇曲線を独自のアルゴリズムで解析し、平衡温(これ以上上がらない温度)をわずか数秒で予測する仕組みだ。外部から急激に熱を加えると、この予測アルゴリズムが破綻し、異常値としてエラーコードを吐き出すように設計されている。
実測式の場合でも、センサー部分を局所的に温めるだけでは、人間の脇の下全体の温度変化を正確に模倣することはできない。結果として、42度を超えるような異常な高熱が記録され、かえって嘘が露呈するケースが後を絶たないという。