いまや日本の国民的讃歌として親しまれている『愛燦燦』だが、その誕生は味の素のCMソングの依頼がきっかけだった。レコード会社の日本コロムビアを舞台に、美空ひばりの新たな一面を引き出すべく企画されたこのプロジェクトは、結果として彼女の後期キャリアを決定づける金字塔となった。
完成したデモテープを聴いたひばりは、それまで歌ってきた重厚な世界観とは異なる、フォーク調の素朴で澄んだメロディに強く惹かれたという。大仰な装飾を削ぎ落とし、言葉をそっと語りかけるように紡ぐスタイルは、彼女の表現力に新たな地平を切り拓いた。