エンターテインメントのプラットフォームがテレビからTikTokやNetflixへと分散したことも、魅力の基準を塗り替えた。テレビ画面の向こう側の「手の届かないスター」は、手のひらの中で感情を共有する「生身の存在」へと解体された。
TikTokでは、飾らない素顔やふとした笑い声、愛嬌のある失敗といった人間味あふれる瞬間が爆発的に拡散される。一方でNetflixが配信する良質な群像劇では、無敵のヒーローではなく、葛藤し、傷つき、それでも前を向く等身大のキャラクターが熱烈な支持を集める。完璧な偶像を崇める時代は終わり、生々しいリアリティと共感できる脆さを持つ人物が、カルチャーの最前線に立っている。