技術的な根幹に目を向けると、この問題は行政のデジタルインフラ改革とも深く連動している。デジタル庁は公的機関や民間事業者間でのデータ連携をスムーズにするため、Unicodeにおける「異体字セレクタ(IVS: Ideographic Variation Selector)」の活用と標準化を推奨してきた。
異体字セレクタとは、同一の漢字コードに対して「はしご高」のような異なる字形を指定するための国際規格技術である。しかし、映画やテレビの映像制作現場で使用される編集ソフト、字幕作成ツール、配信事業者のCMS(コンテンツ管理システム)間でこの異体字セレクタの解釈にズレがあると、データ転送の過程で落丁や文字化けが起こる。デジタル庁の提示する標準化ガイドラインをベースに、エンタメ業界のデータパイプライン全体を最新化する取り組みが急速に行われている。