本作の映像化において特筆すべきは、映画界の雄である東宝と、原作の版元である集英社による極めて戦略的なタッグだ。従来の学園恋愛ドラマにありがちだったステレオタイプな演出を徹底的に排除し、映画クオリティの陰影に富んだライティングと、息遣いまで拾い上げる音響設計が施されている。
漫画原作実写化というジャンルが円熟期を迎えるなか、原作が持つ尖った作家性を損なうことなく、生身の俳優が演じることで生まれる生々しい緊張感を最大限に引き出した。紙面のコマ割りを映画的なロングテイクへと再解釈したカメラワークは、業界内外のクリエイターからも絶賛を集めている。