撮影現場の最前線で何が起きているのか。大手キー局で数々のヒット作を手がけてきた演出家は、匿名を条件にその異質な才能について明かした。
「リハーサルの段階から、こちらの想定を遥かに超えるニュアンスを投げてくる。台本に書かれた言葉の行間を埋める息遣いや、沈黙の使い方が尋常ではない。ただ立っているだけでフレーム内の温度が変わる感覚を、久しぶりに味わいました」
水面下ではすでに、複数の大手芸能事務所や制作会社による争奪戦が激化している。関係筋の情報によると、これまで単館系作品を中心に培ってきた研ぎ澄まされた感性をそのままに、大規模な商業プロジェクトへの参加が決まりつつあるという。制作陣が口を揃えるのは「作品の格を一段引き上げる役者」という評価だ。