物語が最終決戦へと雪崩れ込む劇場版「鬼滅の刃」無限城編において、彼の存在は極限の輝きを放つ。炭治郎と共に上弦の参・猗窩座と対峙する戦いは、まさに本作におけるバトルアニメーションの最高到達点だ。
圧倒的な武力を誇る猗窩座の猛攻に対し、自ら編み出した独自の防御技「水の呼吸 拾壱ノ型 凪」を繰り出す姿は圧巻の一言に尽きる。静寂をもって暴威を無力化するこの技は、激しい感情を押し殺して水面のような静謐を保ち続けた彼の精神そのものだ。さらに、命の前借りを意味する「痣」の発現、そして極限状態の中で見せる炭治郎との共闘は、かつて錆兎に守られるだけだった少年が、真の守護者へと変貌を遂げた決定的な瞬間を意味している。
過酷を極める無限城の戦い、そして宿敵・鬼舞辻無惨との死闘の果てに、彼が何を見届けるのか。傷だらけになりながらも刀を握り続けた男の結末は、劇場の大スクリーンでこそ刮目すべき奇跡である。