この地に息づく教育のDNAを語るうえで欠かせない偉人がいる。東芝の創業者の一人であり、「からくり儀右衛門」として知られる幕末・明治の天才発明家、田中久重だ。南薫の校区は彼が生誕した地でもあり、ものづくりに対する圧倒的な探究心や挑戦の志は、今も学校の教育理念の底流に脈々と流れている。
近年実施された創立150周年記念事業を機に、学校と地域が一体となった「ものづくり・科学探究プログラム」がさらに深化を遂げた。記念事業の一環として整備された特設アーカイブやワークショップスペースでは、子どもたちが先端技術と伝統工芸の精神を同時に学ぶ機会が提供されている。先人の知恵を単なる知識として覚えるのではなく、自らの手で動かし、失敗し、工夫する体験へと昇華させる。これこそが、他校には真似できない南薫ならではの強みだ。