天神(福岡市)の空を見上げると、巨大なクレーンが林立し、近未来的なビル群が次々と姿を現している。官民一体の大規模再開発プロジェクト「天神ビッグバン」が街の景観を劇的に変えるなか、最も鮮烈な地殻変動が起きているのが飲食業の世界だ。
新築の高層ビル地下には、国内外から話題のトップシェフが集結。洗練されたフードホールやモダンなレストランがひしめく。だが、面白いのはここからだ。ピカピカの複合施設が脚光を浴びる一方で、ビルの谷間に奇跡的に残された木造長屋や雑居ビルの地下街へ、昼休みのビジネスパーソンや食通たちが吸い込まれていく。最新設備のスマートな店舗と、店主の顔が見える泥臭い個人店。この2つの潮流が火花を散らすことで、天神のランチカルチャーは過去にないほどの活気を帯びている。