今日、私たちが当たり前のように1本数十円から100円前後でお茶のペットボトルを飲める歴史の原点には、伊藤園の創業者である本庄正則の執念がありました。かつて「お茶は家でタダで飲むもの、金を出して買うはずがない」と冷笑された昭和の時代、本庄正則は茶葉が熱や光で急速に劣化する課題を克服し、世界初の缶入り緑茶の開発に成功しました。
その技術的ブレークスルーがペットボトル緑茶の量産化へと結びつき、現在の巨大な市場基盤を築き上げたのです。先人たちが切り拓いた無菌充填技術や抽出ノウハウが業界標準化したことで、現代では大手流通チェーンが独自の低価格PB商品を高品質かつ安価に委託製造できるようになりました。
かつて高級品だったボトリング緑茶は、製造技術の成熟とサプライチェーンの効率化を経て、究極のコモディティ(日用品)へと姿を変えたのです。