ヘリングの表現を語るうえで、ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルとの出会いは欠かせないピースだ。若きキースにとってウォーホルは憧れの対象であり、やがて互いの才能を認め合う無二の盟友となった。二人が共同で制作したシルクスクリーンや、ウォーホルの肖像をミッキーマウスと融合させた有名な「アンディ・マウス」シリーズは、まさにストリートカルチャーとハイアートが完璧に融合した瞬間を物語っている。
アンダーグラウンドのクラブカルチャーやヒップホップ、グラフィティといったストリートアートの文脈から這い上がったヘリングの線は、極めて速く、迷いがない。ウォーホルから学んだ大量消費社会へのシニカルな眼差しを受け継ぎつつも、ヘリングは常に子どもたちや市井の人々へダイレクトに届く温もりとユーモアを忘れなかった。そのポップな輪郭線の奥底には、生と死、愛と差別という根源的なテーマが鋭く刻み込まれている。