退去費用を浮かせたい一心で、ホームセンターや100円ショップのキズ隠しクレヨン、補修用パテ、木目調シールを使って自分で直そうとする入居者が後を絶ちません。しかし、安易なDIY補修はかえって被害を拡大させ、高額請求を招く最大の要因になります。
市販の着色ワックスやクレヨンは、光の反射角度や木目の質感、艶感が周囲と合わず、プロの立ち会い業者の目線から見れば一目で不自然な補修跡として判絶されます。さらに、市販のハードパテを適当に盛り付けてサンドペーパーで擦った結果、周辺の健康なクリア塗装まで広範囲に剥がしてしまい、「補修不能な過失拡大」として全面張り替え費用を請求された事例が裁判所判例でも報告されています。
浅い凹みに対して濡れタオルを当ててスチームアイロンを当てる民間療法も、無垢材ならまだしも賃貸で多用されるシート合板(オレフィンシート張り複合フローリング)では熱で接着剤が溶け、表面シートが波打って再起不能になります。自己判断での無理な補修は避け、まずは保険の適用可否や管理会社への相談を優先するのが安全です。