お弁当作りにおいて、特に気温や湿度が上昇する初夏から秋口にかけて気になるのが「食中毒リスク」です。厚生労働省の衛生管理基準でも示されている通り、細菌が急激に増殖する温度帯は20℃〜40℃とされています。水分活性(自由水)が高い生野菜は、菌にとって格好の増殖培地となってしまいます。
「きゅうりは前日仕込みできるのか?」という疑問に対し、調理科学の観点からは「適切な調味と衛生管理を行えば可能」と結論づけられます。ただし、単なる生の乱切りを保存容器に入れておくだけでは危険です。前日作り置きを安全に行うには、以下の3原則を厳守する必要があります。
第1に、pHを酸性に傾ける「酢の物」や「浅漬け調味」の活用です。酢に含まれる酢酸には強力な静菌作用があり、pH4.6以下では多くの病原性細菌の増殖が抑えられます。第2に、調理器具や保存容器のアルコール消毒の徹底。そして第3に、翌朝お弁当に詰める直前にもう一度ペーパーで表面のドリップを拭き取り、完全に冷ました状態で保冷剤とともに携行することです。