この2人を語るうえで絶対に外せないのが、世界レベルと評された「左足」の精度と破壊力だ。中村俊輔のカーブキックは、壁を超える軌道、ボールの回転数、そしてGKの手元で急激に落差を生む軌道において芸術の域に達していた。相手GKがあらかじめ構えていると分かっていても止められないそのキックは、欧州のサポーターを長年にわたり魅了し続けた。
一方で本田圭佑の無回転シュートや低軌道の高速フリーキックは、物理的な脅威として世界の強豪国を恐怖に陥れた。2010年南アフリカ大会のデンマーク戦、あの大舞台で叩き込んだ30メートル超のブレ球シュートは、今なおワールドカップ史に残る名場面として語り継がれている。タイプの異なるふたつの「黄金の左足」は、セットプレーという限られた局面において、日本が世界と対等以上に渡り合える最強の兵器であることを証明してみせた。