風の向きが変わった。日本の東側にどっしりと鎮座していた太平洋高気圧が、ここ24時間で予想以上のペースで東へ退行したためだ。高気圧のフチをなぞるように北上する台風にとって、本州への「抜け道」がぽっかりと開いてしまった格好になる。
さらに問題を複雑にしているのが、秋日本の上空に停滞する秋雨前線の存在だ。台風が巻き上げる大量の暖かく湿った空気が前線に流れ込み、本体が接近する遥か手前の段階から各地で局地的な豪雨を引き起こしている。「台風から遠いから安全」という従来の常識は通用しない。大気の状態はすでに極めて不安定だ。