型崩れをゼロにする理想的なアプローチは、重力を特定の一点にかけない「平干し」です。正しいセーターの平干し方法を押さえておけば、繊維に余計な負荷をかけず、編み立て時の美しい寸法を保ったまま乾燥させられます。
平干しを行う際は、まず平らな面の上にセーターを広げ、手で軽く叩いて全体のシワを伸ばします。このとき、縮みやすい袖口や裾のリブ、首回りを本来の寸法に整えておくのがポイントです。また、直射日光に当てるのは厳禁とされています。ウールやシルクに含まれるタンパク質は紫外線によって化学変化を起こし、繊維の黄変やゴワつきを招くため、セーター陰干しの重要性はプロの間でも繰り返し強調されています。
とはいえ、都会のマンションや一人暮らしの住居環境では「平干し用のスペースが確保できない」という悩みがつきものです。そこで長年愛好されている知恵が、お風呂のフタ活用法です。
入浴後、浴室の湿気を換気扇でしっかりと排出した後、浴槽の上に置いたシャッター式または板状のフタの上に大判のバスタオルを敷き、その上にセーターを平干しします。浴室暖房乾燥機や24時間換気システムを稼働させれば、室内の居住スペースを圧迫することなく、効率的に水分を蒸発させることが可能です。湿気が残っているとお風呂の蒸気で乾燥が遅れるため、浴槽のお湯を抜いた状態、あるいは冷めきった状態で行うのが成功の秘訣です。