一方で、彼の真骨頂とも言えるのが、時代劇『必殺仕事人』などで見せるストイックな短髪スタイルだ。和装の引き締まった佇まいに映えるサイドのタイトさと、トップに適度なボリュームを持たせた前髪の立ち上がりは、まさに男らしさの極致と言える。
歴代の短髪セット法を紐解くと、共通しているのは「メリハリ」と「毛束感」の演出だ。ドライヤーで根元からしっかりと立ち上げ、ハード系のワックスやグリースを用いてサイドを抑え込むことで、鉢周りの張りを抑えたダイヤモンドシルエット作り出している。過度なツヤ感を避け、セミマットからナチュラルな質感に仕上げるのが松岡流のこだわりだ。この伝統的な引き算の美学が、時を経ても古びない男前な印象を作り出している。