単にスクリーンで映像を流すだけでは、目の肥えた2026年の観客を満足させることはできない。今期のヒット作に共通しているのは、規格外の上映スペックをフル活用した「体験型」の設計だ。
特にIMAX Laser GTやDolby Cinemaといったラージフォーマット(PLF)の座席予約は、公開1か月前にもかかわらず瞬く間に完売する状態が続いている。重低音でシートが細かく振動する立体音響システム、圧倒的な明暗差を表現するハイダイナミックレンジ映像。配給会社も最初から「PLF上映前提」の画作りや音響ミックスを施すケースが増えた。「動画を観る」のではなく「映画を体感する」。この価値転換こそが、チケット単価の上昇を厭わない熱心な映画ファンを生み出し続けている。