1986年、山梨から上京した青年たちが組んだバンドがTHE BOOMだった。原宿ホコ天での泥臭いストリートライブ。観客が数十人から数百人へと膨れ上がるのに時間はかからなかった。当時の宮沢和史がステージで見せていたのは、観客を射抜くような跳躍と、吐き出すようなボーカルワークだ。
やがてソニー・ミュージックレーベルズ(当時のCBS・ソニー)のオーディションを勝ち抜き、メジャーの舞台へ駆け上がる。スカやパンクのビートに日本語の叙情詩を乗せる彼らのスタイルは、当時の日本の音楽業界に小さくない衝撃を与えた。型にはまることを極度に嫌った宮沢は、自らのルーツとアイデンティティを探し求める旅へと突き進んでいく。