1970年代初頭、TBSテレビの木曜夜8時枠で放送された『ありがとう (テレビドラマ)』シリーズ。第2シリーズの看護婦編で記録した最高視聴率56.3%という驚異的な数字は、民放ドラマ史上いまだ破られていない大記録だ。
当時は銭湯の女湯から客が消えたとも言われ、放送時間帯には水道の使用量が激減したという逸話まで残る。テレビが家庭の中心にあり、家族全員がひとつの画面を見つめて泣き、笑った時代の象徴だった。画面越しに伝わる濃密な生活感と、誰もが共感できる日常の機微が、日本全国の視聴者の心を完璧に掴んでいた。