スター芸人たちの華やかな活躍の裏には、北の大地で育まれた濃厚な人間ドラマが存在します。公の場での証言や関係者の記録から、その原点を検証します。
札幌市北区新川で生まれ育ったEXIT兼近大樹の経歴は、壮絶を極めます。幼少期の貧困生活、過酷な家庭環境、非行に走った少年時代——。そこから上京し、ベビーシッターの資格を取得して子どもたちと触れ合いながら、吉本の劇場で頭角を現しました。自伝的小説『むき出し』の中で綴られた「どんな境遇からでも人はやり直せる」という叫びは、同世代の若者を中心に大きな共感を呼んでいます。現在も札幌への恩返しを欠かさず、北海道の若者支援プロジェクトに積極的に関わり続けています。
トム・ブラウンの二人は、北海道札幌東陵高校の柔道部・相撲部出身という異色のバックボーンを持ちます。高校時代からのみちおの怪力と布川の包容力は当時から有名で、地元のアマチュア時代を経て上京。当初は正統派の漫才を試みるも鳴かず飛ばずでしたが、「合体漫才」という独自の境地を開拓したことでM-1ファイナリストへと駆け上がりました。高校の部室の延長線上にあるような二人の信頼関係は、現在もネタの爆発力を支えています。
そして、道産子芸人の結束の強さを語る上で外せないのが、タカアンドトシの存在です。札幌南陵高校の同級生として結成された二人は、「欧米か!」のフレーズで全国区のスターとなった後も、北海道文化放送(UHB)の『タカトシランド』や北海道放送(HBC)の特番を通じて、後輩芸人たちを地元に招き続けています。錦鯉がM-1で優勝した際、タカが涙を流して喜んだエピソードは、札幌吉本時代から続く先輩後輩の深い絆を物語っています。