国会の力学を決定づけるもう一つの強固な原則が、国会法第68条に規定される「会期不継続の原則」です。「会期中に議決に至らなかつた事件は、後会に継続しない」という規定により、通常国会(150日間)や臨時国会などの会期が終了した時点で、議決されていない法案は原則としてすべて廃案となります。閉会中審査の手続きを経ない限り、次の国会では最初から法案を出し直さなければなりません。
野党が審議時間を費やして会期末のタイムリミットを狙う戦術をとるのも、与党が会期延長を強行しようとするのも、すべてはこの会期不継続の原則から生じる構造的圧力によるものです。
万一、衆議院が解散されている最中に国家的な危機が発生した場合はどうなるでしょうか。この空白を埋めるために設けられているのが憲法第54条および国会法第99条から第102条に定められた「参議院緊急集会」です。内閣の求めに応じて参議院のみが招集され、暫定的な措置を議決します。ただし、次の国会開会後10日以内に衆議院の同意を得られなければ、その措置は将来に向かって効力を失う厳格な制約が課されています。
両院の意見が対立した場面では、予算、条約、内閣総理大臣の指名、法律案の再可決(衆議院出席議員の3分の2以上の賛成)において「衆議院の優越規定」が発動し、最終的な意思決定の停滞を防ぐ設計が施されています。